シー・ラブズ・ユー
明治時代から東京の下町に店舗をかまえる古書店〈東京バンドワゴン〉を舞台に、4世代9人家族が繰り広げる、ちょっぴりミステリな人情話4篇がおさめられています。
なにしろ登場人物が9人ですからね。そのなかの子ども2人はいいとして、男性も女性も似たような年齢の登場人物が何人もいて、ときどきごっちゃになっちゃいますが、まあ、それはご愛敬ということで(あたしの頭の容量が小さいだけだという話もありますけどね)。
前作の『東京バンドワゴン』もそうだけど、昔のホームドラマを見ているような、あたたかさがあるんですよね。登場人物たちと一緒になって笑ったり、頭をひねったり、ときにはしんみりと涙したり。それも、変な家族観を押しつけるわけじゃなく、家族っていいなと、ごく自然に思わせてくれるところがいいの。物語の進行につれ、家族構成がちょっとずつ変化していくところも読みどころです。
家族だけでなくご近所さんまでもがお互いを気づかい合い、いざというときには損得抜きで力を貸す関係はちょっぴりうらやましいけれど、実際のところ、こんな濃密な関係に放りこまれたら、息苦しくて逃げ出しちゃいたくなるだろうなあ。(^^;)
■書誌情報
『シー・ラブズ・ユー』小路幸也/集英社(2007.05.30発行)
| 固定リンク
