黒笑小説

今年の集英社文庫のナツイチ企画、マスコットの携帯ストラップがかわいくて、思わず本屋で大人買いしてしまいました。4冊買って見事、レアアイテムのダーク大佐をゲットしたんですが、そのときに買った1冊がこれ。
そんなわけで中身に関してはあまり期待してなかったんだけど、いやなかなかどうして。けっこうおもしろいんですよ。とくに作家と編集者をそれぞれの視点から描いた最初の4編は秀逸。ノミネートされた賞の結果発表を待つ様子をシニカル描いた「もうひとつの助走」、なんとなく新人賞に選ばれてしまったものの、そのあとがつづかない新人作家を描いた「線香花火」や「過去の人」。どれもご本人の体験が下敷きにあるんだろうなあ。(^^;) それをまた自虐的にこんな話にしたてちゃう東野圭吾の頭のなかは、いったいどうなっているんでしょう?
わたしが身につまされたのは、同じく作家ものの「選考会」という短篇。リーディングで「なんだ、これ?」と思うような本に当たったとき、もしかして、本当はすごく斬新でおもしろいのに、それを理解できる感性が自分にはないんじゃないかと不安になることがあるんですが、その経験と重なりました。いやあ、これは他人事じゃないですよ。(^^;)
■書誌情報
『黒笑小説』東野圭吾/集英社文庫(2008.04.25発行)
*2005年4月に刊行された単行本の文庫化
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